このことについては、他記事にバカげた顛末記のような形でも書きましたが、筆者は6月下旬頃、一旦購入したこの製品を、Appleの動向を読み違えて、2019年秋には新製品が出るに違いない、と、慌てて返品したという経緯があります。
そんなことはどうでも良いとして、この製品がこのまま終わってしまうのか、果たして再登場はあるのかないのか、ということを主に推察(推量)してみたいと思います。
読み違えた筆者の記事など当てにならない、と思われた方は遠慮なくタブやウィンドウを閉じて頂いて結構です。そうでない方は暇つぶし程度にお付き合い頂けると幸いです。
そもそもMacBookは何故登場したのか?
初代が登場したのは、2015年4月で、筆者が初めて触った時は、なんて薄く軽く小さいMacなんだ、と驚嘆しつつ、金も無いのに思わず即買いしようとしたほど衝撃的な製品でした。しかも12インチ画面でありながらRetineディスプレイを搭載していました。
しかし、インターフェイスがUSB type-C 1基のみという尖った仕様で、価格も低スペックの割には高額で、最安モデルで14万4800円(税別)という、購入するのに二の足を踏むものでした。
その背景
当時、MacBookシリーズの中では、MacBook Air 13インチモデルが最軽量(1.35kg)でしたが、これはRetinaディスプレイではなく、ノーマルディスプレイで、多くのMacユーザーが、軽量だったAirのRetinaディスプレイ化を待ち望んでいた頃だったと思います。
Airの後継ということではなかったものの、薄く軽く(920g)小さく、しかもRetineディスプレイ搭載のモデルは、それまで無かったものだったので、Macユーザーならその意味では皆歓迎したのではないかと思います。
その意味では、ここまでのAppleの動きは別に間違っていなかったと思います。
ただし
値段が値段のくせに、このUSB type-C 1基のみ搭載という、恐ろしく尖鋭化させた、ある意味ユーザーをバカにしたような愚かな仕様は、さすがに否定せざる得ないものがありました。
その真意は未だによく分かりませんが、必要最低限の無駄を省ききった究極のモバイルMac、というようなイメージで市場を広げたかったのでしょうか? (?しかない)
誰しもが思ったこと
しかし、
「イヤホン端子つけるくらいなら、代わりにtype-C もう1基つけとけよ、手間もコストも変わらんだろ」ということはどんな頭の悪い人間でも分かることです。しかもtype-Cは当然音源もいける端子です。これは後々まで尾を引く大失敗だったと思います。
もしこの時、筐体の両側面にtype-Cを搭載し2基としていたら、MacBookの評価と定着度はかなり違ったものになっていたと思います。
iPadとのからみ
この頃iPadはどうだったんでしょう?
iPad関係ないだろ、と皆さん思われるかも知れませんが、筆者は大いに絡んでいると思います。
余談ながら、タブレットとしては画面がデカく度肝を抜かれた記憶があります。
ただ、今もそうですが、iOSの設計が、わざとかどうか、ドライブやファイルの管理とマルチタスキングが未熟で稚拙なので、出来ないことも多く、その意味では、似たような大きさのMacBookとの棲み分けは出来ていた気がします。
iPadを売る方がおいしい?
Appleは、今秋登場のiPadOS 13ではっきりさせているように、iPadをモバイルコンピューターとして位置付けて、既述したマルチタスキングや、ファイル管理などの弱点を克服して「どんなコンピュータにも似ていないコンピュータ」とキャッチコピーして、汎く売り出そうとしていますし、また売りたい、のだと思います。
穿った見方をすれば、これはMacを売るより利幅が大きいのか、と思ってしまいますが、それはともかく、似たような大きさとサイズ感と機能を持っているMacBookは棲み分けにおいて、とても邪魔になってきますね。
だからMacBookを廃版にした
そしてMacBook AirをRetina化した
MacBook Airの画面は13.3インチあります。
なので、2018年11月に、Appleはずっと放置していたMacBook Airをようやく一新し、Retina化したモデルを投入します。今思うと、この辺りからMacBook廃版のシナリオは出来ていた気がします。
さらに2019年7月、矢継ぎ早とも言えるMacBook Airのアップデートを行います。わずか8ヶ月です。と同時にMacBookは廃版となりました。
新型AirはTrue Tone搭載以外大きなスペック向上はありませんでしたが、価格を15000円程落として最安モデルで、119800円(税抜)としてきました。
余談めいていますが、Retine化を含めたアップデートが遅れた理由の一つに、旧型のノーマルディスプレイMacBook Airが売れ続けていた、という事実もあると思います。価格も税別で10万を僅かに切る、Macとしてはリーズナブルな製品でした。部品や本体の在庫の処分もあったのでしょう。
私も使っていましたが、とても良いマシンだったと思います(老眼でノーマルディスプレイを見るのがキツくなって処分しましたが)。でも、まだ売っていますね。
MacBookの復活はあるのか
私は、あるかもしれない、と考えています。が、そこには明瞭な根拠などはありません。
ただAppleは、時折迷走と言って良いような動きをすることが多々あります。それが根拠と言えば根拠かも知れません。
むしろ総合的、論理的に考えれば、復活は無い、と答えざるを得ないと思います。
Chromebookという強敵
そこには、本国アメリカではChromebookに押され、iPadのシェアが貧弱、という実情もあると思います。アメリカでの市場は日本とは比較にならない程大きいものです。なんとか伸ばしたいと考えるのは当然です。
MacBook系では価格の開きがありすぎてChromebook(廉価なものが多い)とは到底勝負にはなりません 。
手駒としてのiPad
だからiPadなのです。
Chromebookに、特に教育現場において奪われたシェアを奪還するには、現状ではAppleの手駒はiPadくらいしかありません。
Apple pencilの投入
Chromebookにはさまざまな機種が存在しますが、スタイラスペンを使えるタッチパネル対応のものは少なくありません。しかも本体に始めから内蔵できるタイプのものもあります。例えば以下のように。

SAMSUNG CHROMEBOOK PLUS / 12.3 INCH / 2400X1600 / OP1 CHROMEBOOK PROCESSOR / 4GB
- 出版社/メーカー: Samsung IT
- メディア: Personal Computers
ある程度の成功をおさめるであろうiPad
今秋出てくるiPadOSで今までの弱点を克服し、PCにより近付き、過去出来なかったことが可能になり、iPadはある程度の成功をおさめると思われます。
が、問題は価格でしょう。ここ数年のAppleの動きを見ていれば、高付加価値・高価格路線を取り続けていることが明確に分かります。筆者にはもはや尋常とは思えません。
タブレット自体が低調低迷な市場で、そういうデバイスが、Chromebookに取って替わるほどの成功を収めることはまず考えられないと思います。
また高価格になればなるほど、Macとの棲み分けも難しくなってくるでしょう。
仮に価格を抑えたままで、機能的に接近しすぎると、今度はMacが売れなくなります。いわゆる共食いです。
ややこしいことになった場合
そういうややこしいことになった場合(なる気がしますが)、Appleは、軽量のモバイルPCとして、iPadではなく、またMacを持ち出してくるかも知れません。ジョブス亡き後、それくらいの迷走はする企業だと筆者は思っています。
だから、復活はあるかも知れない、と言ったまでで、ちゃんとした理由や根拠とかではありません。
まとめ
迷走しやすいApple、と言いましたが、それは事実だと思います。
新製品の投入やアップデートにしても恣意的で、廃版製品に対しても前置きがなく突拍子もない。
確かに、機を見て動くのがビジネスの常道だ、とは言いますが、世界の大企業がこういうことを余り軽忽に繰り返していると信用できなくなってしまうのは、筆者だけでしょうか。そこには今まで高い金を払ってくれたユーザーの声も不在な気がします。
そして、それが嵩じてくると、もうどうでも良くなってきて、こういったジャンルのものに興味を失い、買う気も消沈し、市場自体が先細りする気がしてならないのです。
「船頭多くして船山に上る」
最後までお読み頂き有難うございました。