杉本屋ブログ

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PILOT万年筆 カスタム74 オールラウンドな一本

 こんにちは杉本屋です。

 前回紹介した、プラチナの#3776センチュリーに引き続いて、今回は、愛用の万年筆の中からPILOTカスタム74のことを書きたいと思います。

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 この一本も、筆者の場合、ハガキや手紙の執筆と署名にしか使っていません。ちなみにペン先は極太です。

 このPILOT カスタム74の方が先に購入したのですが、まずは外観から言うと、プラチナの#3776センチュリーに比べて、軸が細身で長くスマートで、軽く出来ています。

 そして何より外観が気に入っているところとしては、このクリップのデザインです。先端に行くほど細くなっていき、最後はクリっと丸い球体で始末をつけているところが非常にレトロ感と愛嬌を兼ね備えた秀逸なデザインだと思います。

万年筆以前 日本

 万年筆の起源とか沿革については前回お話しましたので、割愛しますが、日本では明治になって万年筆が入ってくるまでは下のような矢立が活躍していました。

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矢立(真鍮製)

 これは、柄の部分に細身の小さな筆が入っていて、ちょうど柄杓の合にあたる部分が小さな墨壺になっている、という当時の携帯用筆記具です。起源は鎌倉期くらいに遡るそうですが、ここではそれくらいに留めておきます。

 少なくとも明治前期くらいまでは、当時の人々が帯に差し込んで携帯し筆記していたことでしょう。

矢立に取って代わった万年筆

 さて、前置きが長くなりましたが、その矢立に取って代わった万年筆が、今はボールペンに取って代わられているという、世の移り変わりの早さと儚さを感じる話ですが、そんな国産万年筆の中でもカスタム74は、何が良いのかということを具体的に述べていきたいと思います。

特徴

日本語のトメ・ハライ・ハネを書きやすい

 試してみると確かにそうです。他の万年筆と比べると、上記の特色があります。

 筆者は普段は草書で書くので分からなかったのですが、いちいち楷書でキチンとハネたり、トメたりしていると違いがあることを実感できました。センチュリーだとこうはいきません。

 楷書が好きという人には確かに向いていると思います。

インクフローが潤沢

 これもそうだと思います。安定して豊富なインクフローを保有していると思います。センチュリーはそれが渋目のため、紙によってはカスレが出て困ることがありますが、カスタム74は紙など選ばずスラスラと書けます。

  プラチナ #3776センチュリーについては過去記事をどうぞ。

kousyumaki.hatenablog.com

 スマートなデザイン

 繰り返すようですが、軸はやや長めながら、細身の美しいスマートなフォルムだと思います。特にクリップのデザインは秀逸だと思います。そして軽いです。

筆圧が高めでもOK

 ニブ(ペン先)は小さめながら、筆圧が高くても低くても安定したインクフローを確保し良好な書き心地を実現していると思います。

国産コンバーターの中でインクの入る量が最も多い

 CON-70という1.1mlの容量のものが使えます。たぶん他社のものと比べて倍くらいの容量があると思います。

 コストパフォーマンスが高い

 これだけの高精度高品質で、メーカー希望価格12,000円税別です。
 実売価だと10,000円を切る価格で買える場合もあるようです。

 

実際書いてみて

 以下、作例と言っては大袈裟ですが、筆者の下手な字で、実際書いたものを少しご覧頂きたいと思います(これは動画の方が良いですね)。

書簡

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 プラチナの#3776センチュリーと比べて、どちらかと言うと日本語をきちんと書くことに向いている気がします。草書体のような続いた曲線の文字を書くと、センチュリーの方がよりヌルヌル滑らかに書ける気がします。が、大きく差があるという訳でもなく、草書体も難なくこなしてくれます。

 これもカブりますが、筆圧を強めにかける人には向いている気がします。

 あえてカラー画像で掲載していますが、PILOT純正のブラックインクは、いわゆる真っ黒です。悪く言うと趣に欠けるという言い方も出来るかも知れません。

原稿用紙f:id:sanseidow21:20191008145427j:plain

 今どき原稿用紙に向かう人もあまりいないと思いますが、試みに、夏目漱石草枕を書いてみました。これは書簡などの罫線に沿って書くだけのものと違って、ある程度升目に納める気が必要ですので、ペンポイントの正確性とでも言うのでしょうか、その万年筆の癖(手前寄りとか)が分かりやすいのではないかと思います。
 ペンポイントに癖はなくそのままという感じだと思います。

 このカスタム74は、コンバーターは使わずカートリッジで使用しています。

 いずれコンバーターを入れて、色々なインクも試してみたいと思っています。

  

まとめ

 PILOT カスタム74も筆者の好みの一本です。筆者にとっては、比較的安価な割に高品質で紙も選ばず、潤沢で安定したインクフローで書きやすくこれと言った難がない、オールラウンダーと言ったところです。

 万年筆は使い込めば使い込むほどその人の書き癖を覚え、育ってくる筆記具です。その意味では人への貸与は余りおすすめ出来ない筆記具ですが、長年かけて育てる楽しみがあります。これは他の筆記具にはまずあり得ないことだと思います。
 また通称「インク沼」とも呼ばれている、色々なインクを入れて試せる楽しみもあります。

 筆者は万年筆マニアでもコレクターでもありませんが、日常、筆記するということに趣味的な潤いと楽しみを与えてくれる万年筆という文具が好きで使っています。

 パソコン等の普及で、ますます手書き文字は縁遠くなっていますが、やはり手書きには手書きの良さがあり、いくら、例えばiPadApple pencilが素晴らしい書き心地だ、と嘯いても、こういう潤いや趣には遠く及びません。

 筆者が所有している万年筆は、5指に余る程度ですが、機会があれば今後また紹介していきたいと思っています。

 今回はPILOTカスタム74でした。

 最後までお読み頂き有難うございました。