こんにちは杉本屋です。久しぶりの文具ネタです。
今回は、筆者愛用のセーラー万年筆のプロフィット21のことを書きたいと思います。
国産万年筆の中でも代表的な一本として有名ですが、特徴を具体的に述べていきたいと思います。
筆者の所有しているPROFIT21のニブは「太字」です。
特徴
その外観
プラチナ万年筆のセンチュリーとよく似たフォルムと言えるかも知れませんが、軸はプロフィット21の方が、両先端部がやや細長く出来ているので、胴太に見えます。が、実際の胴径は同じくらいだと思います。
プラチナ万年筆 #3776 CENTURYについては下記をどうぞ。
軸の長さ、フォルム、バランスが良い
太目の軸の安定したホールド感と、ほんの少し、前寄りながらも絶妙の重心位置、そして美しいフォルムとも相まって、秀麗な書き心地を生み出してくれます。クリップも程よい幅と長さでしっくりきます。
が、書く際は、底部にキャップを強めにはめ込まないと、やや外れやすい傾向があります。
21金のペン先によるしなり
なんと言っても、流麗で柔軟な21金のニブ、それでいて筆圧をかけても不必要にペン先が開かず、多すぎないインクフロー。名状し難い独特のしなりがあり、書いていて何とも言えない心地良さがあります。
インクフロー(吐出量)が、渋目だと言う人もいますが、筆者に言わせると、それは渋いのではなく、多過ぎないということだと思います。ただ横線には弱くかすれが出やすい傾向にはあると思いますが、これもどの万年筆も大抵そうですので、許容範囲にあると思います。
ペンポイント
ペンポイントの先端はいわゆる『丸研ぎ』の傾向にあります。そしてスィートスポットはやや手前寄りにあります。
しかしこれは普通の人は気にも止めない程度だと思います。
実際書いてみて
以下、作例と言っては大袈裟ですが、筆者の下手な字で、実際書いたものを少しご覧頂きたいと思います。ちなみに私の所有している個体のペン先は繰り返しますが「太字」です。
書簡
筆圧を強めにかけても、しなやかに受け止めて、柔らかく滑らかに書ける感じの書き味で、これぞ万年筆の王道といったしなり感があります。
原稿用紙
今どき原稿用紙に向かう人もあまりいないと思いますが、いつものように、夏目漱石の草枕を書いてみました。これは書簡などの罫線に沿って書くだけのものと違って、ある程度升目に納める気が必要ですので、スィートスポットの正確性とでも言うのでしょうか、その万年筆の癖(手前寄りとか)が分かりやすいのではないかと思います。
既述したように、確かにわずかに手前寄りにスィートスポットがありますが、まさか升目を埋めるのにそれを意識して書かなくてはならないということはありません。ごく普通に書けます。
▼純正インクだけを使うならカートリッジでも良いのですが、色々なインクを入れて試してみたいのでコンバーターを使っています。

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- 出版社/メーカー: セーラー万年筆
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筆者個人としては、ブルーブラックを常用としたいのですが、公式文書には黒を指定してこられることが多いので、仕方なく、いつもは黒系のインクを使っています。
▲近頃は、メモも万年筆で取りたくなってきたので、中細か細字のニブを持つプロフィット21が欲しくなってきています。なんだかんだ言って結局は何本も買わなくてはならなくなるんでしょうか?
まとめ
万年筆は使い込めば使い込むほどその人の書き癖を覚え、育ってくる筆記具です。その意味では他人への貸与は余りおすすめ出来ない筆記具ですが、長年かけて育てる楽しみがあります。これは他の筆記具にはまずあり得ないことだと思います。
また通称「インク沼」とも呼ばれている、色々なインクを入れて試せる楽しみもあります。
筆者は万年筆マニアやコレクターと呼べるほどの人間ではありませんが、日常、筆記するということに趣味的な潤いと楽しみを与えてくれる万年筆という文具が好きで使っています。
パソコン等の普及で、ますます手書き文字は縁遠くなっていますが、やはり手書きには手書きの良さがあり、いくら、例えばiPadとApple pencilが素晴らしい書き心地だ、と嘯いても、こういう潤いや趣には遠く及びません。
筆者が所有している万年筆は、5指に余る程度ですが、機会があれば今後また紹介していきたいと思っています。
最後までお読み頂き有難うございました。