こんにちは。杉本屋です。
2019年11月5日、NECが新しい教育クラウド「Open Platform for Education」を2020年4月から提供すると発表し、その専用端末として2in1タイプのChromebook「NEC Chromebook Y1」を11月5日から販売するという発表を行いました。
主なスペックは、CPUがCeleron N4000(2コア2スレッド、1.1GHz~2.6GHz)、メモリがLPDDR4の4GB、ストレージはeMMC 32GBで、ボディーサイズは約290(幅)×204(奥行き)×20.35(厚さ)mm、重量は約1.35kgという、ChromeOSが動作するには十分な性能だと思います。
また、タッチ操作に対応した11.6型(1366×768ピクセル表示対応)の液晶ディスプレイを搭載する他、3セルのリチウムイオンバッテリーを内蔵することで最長約10時間の駆動、防滴設計に加え、75cmからの落下試験をクリアーした頑丈ボディー(MIL-STD-810G準拠)を確保しているということです。
また、標準で1年間の引き取り修理サービスが付属する他、本体と同時購入が必要になりますが、3年間~5年間の引き取り修理サービスやバッテリー交換などの保守メニュー、設定代行サービスも用意されています。同社では、端末1人1台時代に向けたNECならではのサポートも提供するとしています。
気になる価格は、オープンプライスですので分かりませんが、上記の性能ならお手頃な4万円(税込)程度に抑えてくるのではないかと筆者は推察しますが、個人向けへの端末単体での販売は行わないそうです。
特徴は
2-in1型ということ
ヒンジ部分が360度開くので、色々な形状で使うことができます。
▼下はタブレット形状ですが、筆者もこのスタイル(AsusのChromebook)は結構使います。
各種インターフェイスは必要にして十分
▲ご覧のように両側面に十分なインターフェイスを備えていることが分かります。
AppleのMacBookのようにハブを介さないと何も出来ないマシンとは大いに違っています。あと、こう見ると薄くはないですが、頑丈なので良しとしましょう。
以上はNECによって用意された端末ですが、▼下の方が重要です。
NECの新プラットフォームサービス
大きな特徴としては、小中高校まで、幅広いニーズにあったデジタル教材や学習コンテンツを取りそろえている日教版と提携し、利用者がシングルサインオンですぐに使える「教育ダッシュボード」を提供すること、「協働学習支援サービス」でグループ学習の可視化を実現していることです。
教育ダッシュボード
時間割や購入済みコンテンツとの連携が済んだ状態で学習をスタートできる他、学習効果を一元的に見られるようになっており、将来的には子ども自身が主体的に学ぶ場として機能することを目指していくそうです。
協働学習支援サービス
協働学習支援サービスとは、話者のデータを収集して音声をAI分析し、話者を特定したりテキスト化をしたりして教師へフィードバックする、また話者の感情も含めてタイムラインで可視化できるというのが売りだそうです。
現状、シングルサインオンで入れるポータルの利用は無料で、それぞれのサービス利用時に課金される方向で検討中で「極力リーズナブルな価格で提供していきたい」とNECは発表しています。
総評的に
現在、NECは私立や公立を含めた小中高を対象にPCを提供していますが、出荷台数の4割ぐらいのシェアを占めていると言います。
それを背景に、今回の新プラットフォームからChromebookといった端末、クラウドやネットワークまで提供できる「ICTフルレイヤー」を武器にして普及させることで、「2025年度までに4割程度のシェアを獲得していきたい」と、NEC 第一官公ソリューション事業部 初中等・教育産業マーケット担当 田畑太嗣部長が目標を掲げています。
とはいえ、一般的な学校で校内のWi-Fi整備率はまだ40%程度であり、Windows PCが数多く占めている現状もあります。同社では、本プラットフォームのデモをWindows搭載PCでも行えるようにする他、米国では6~7割、全世界では5割程度がChromebookといわれている市場なので、日本でも時間が必要だがその程度まで広まるのではという見解を示しています。
アメリカでは大いに普及しているChromebookですが、ここに来て、NECが本格的にクラウドサービスと一緒に、国内に投入してきたということは、日本でも普及する兆しがあらわれてくるのではないかと思います。
もし参考になりましたら、この記事を書いた幸せを覚えます。
最後までお読み頂き有難うございました。