こんにちは杉本屋です。
今回は、久しぶりの万年筆ネタになりますが、過去記事にも書いた入門用のカスタム74より、少しアップグレードしたPILOTのカスタム742(3桁モデル)のことを書きたいと思います。
まずは開封ですが、ご覧のように、カートリッジインキが一本と、軸の中にはコンバーターが付属していました。
この一本は、筆者の場合、主にメモを取るのに使っています。ちなみにペン先はソフト細字(SF)です。
なぜソフト細字を選んだかと言うと、細字のニブの場合、どこの万年筆も大抵カリカリした感触というか、書き心地になることが多いので、今回はソフト細字を選びました。ちなみに試し書きはしておらず、ぶっつけ本番で今回もAmazonで購入しました。
まずは外観から言うと、セーラーのプロフィット21に比べて、軸がやや細身で長く出来ています。重量はほぼ同じくらいに感じます。
今度は右左が逆になっていますが、キャップを装着すると長さはほぼ同じくらいになります。
ニブの大きさは同じくらいですが、こころなしかカスタム742の方が金色が薄く見えます。
そして何より外観が気に入っているところとしては、このクリップのデザインです。PILOTの万年筆には大抵このクリップが採用されているのですが、先端に行くほど細くなっていき、最後はクリっと丸い球体で始末をつけているところが非常にレトロ感と愛嬌を兼ね備えた秀逸なデザインだと思います。
特徴
日本語のトメ・ハライ・ハネを書きやすい
試してみると確かにそうです。他の万年筆と比べると、上記の特色があります。
筆者は普段は草書で書くので分からなかったのですが、いちいち楷書でキチンとハネたり、トメたりしていると違いがあることを実感できました。プロフィットだとこうはいきません。
楷書が好きという人には確かに向いていると思います。
インクフローが潤沢
これもそうだと思います。安定して豊富なインクフローを保有しているように思います。カスタム742は紙など余り選ばずスラスラと書けます。
セーラー プロフィット21については過去記事をどうぞ。
スマートなデザイン
繰り返すようですが、軸はやや長めながら、細身の美しいスマートなフォルムだと思います。特にクリップのデザインは秀逸だと思います。
筆圧が高めでもOK
今回のニブ(ペン先)は、ソフト細字で「筆圧の弱い人向き」とメーカーは提唱していますが、筆圧が高くても低くても安定したインクフローを確保し良好な書き心地を実現していると思います。
細字の割にカリカリした書き心地は余りせず、書いていて実にしなやかでスムースな感触を得られます。
国産コンバーターの中でインクの入る量が最も多い
CON-70という1.1mlの容量のものが使えます。たぶん他社のものと比べて倍くらいの容量があると思います。このカスタム742には、最初から以下のコンバーターが付属していました。
実際書いてみて
以下、作例と言っては大袈裟ですが、筆者の下手な字で、実際書いたものを少しご覧頂きたいと思います(これは動画の方が良いですね)。
どちらかと言うと日本語をきちんと書くことに向いている気がしますが、草書体のような続いた曲線の文字にもちゃんと追随します。
あえてカラー画像で掲載していますが、PILOT純正のブラックインクは、いわゆる真っ黒です。悪く言うと趣に欠けるという言い方も出来るかも知れません。
ペンポイントにも癖はなくそのままという感じだと思います。
まとめ
PILOT カスタム742も筆者の好みの一本です。筆者にとっては、中堅クラスの割に高品質で紙も選ばず、潤沢で安定したインクフローで書きやすくこれと言った難がない、オールラウンダーと言ったところです。
万年筆は使い込めば使い込むほどその人の書き癖を覚え、育ってくる筆記具です。その意味では人への貸与は余りおすすめ出来ない筆記具ですが、長年かけて育てる楽しみがあります。これは他の筆記具にはまずあり得ないことだと思います。
また通称「インク沼」とも呼ばれている、色々なインクを入れて試せる楽しみもあります。
筆者は万年筆マニアでもコレクターでもありませんが、日常、筆記するということに趣味的な潤いと楽しみを与えてくれる万年筆という文具が好きで使っています。
パソコン等の普及で、ますます手書き文字は縁遠くなっていますが、やはり手書きには手書きの良さがあり、いくら、例えばiPadとApple pencilが素晴らしい書き心地だ、と嘯いても、こういう潤いや趣には遠く及びません。
筆者が所有している万年筆は、5指に余る程度ですが、機会があれば今後また紹介していきたいと思っています。
今回はPILOTのカスタム742でした。
最後までお読み頂き有難うございました。