こんにちは。杉本屋です。
今回は、ゴミ捨場で拾ったカメラについて言及したいと思います。キャノンのEX AUTOという一眼レフカメラです。
不燃ゴミの日に発見
筆者の住む地域では、不燃ゴミを出せるのは、第1第3金曜の月2回なのですが、その日はちょうど当番にあたっていました。当然不法投棄などを防ぐ為に長時間現場で立っている訳ですが、ふと見ると、コンテナの中にこのカメラが速写ケースの下半分だけを着けた状態で転がっているのを発見しました。
筆者は、その昔カメラと写真に凝った時期があります。
すぐ手に取り、巻き上げてレリーズボダンを押してみると、健全にシャッターが切れるではありませんか。
そのままにするには、さすがに勿体ない気がして、持ち帰ることにしました。
Canon EX AUTOについて
実は、筆者はこのカメラについては全く無知でした。
最初は、レンズがマウント基部から交換できるはずだと思って、ボタンを探したり、レンズ基部から回してみたりと色々やりましたが、一向にレンズは外れてくれません、
前玉交換式
基部から外れるわけもなく、見出しのような構造になっていて、レンズの先端に近い部分をぐるりと回すと基部を残して前玉が外れるという変わった構造になっています。
これは、ネジ込み式の専用EXマウントと称し、2群3枚構成のレンズ後群系はボディ側に残る方式です。
用意されていたレンズは、35ミリF3.5、50ミリF1.8、95ミリF3.5、125ミリF3.5の4種類だったそうですが、前玉交換式の場合、一般的にレンズシャッターが多い中、このカメラはフォーカルプレーンシャッターを搭載しています。
この方式の良いところは、絞りや絞り調整リング、フォーカシングユニットもボディ側に残る固定鏡胴内に含まれているので、レンズ毎にヘリコイドや絞りを作る必要がない、というところにあったと思います。
1つ1つのシステムが小型化され、同時に大きなコストダウンに成功した新システムだったのではないでしょうか。
キャノン初のTTL開放測光、初のEE機能
1972年2月に、このEX AUTOは前身であるEX EEの改良型として登場したそうですが、特筆すべきは、キヤノン初のTTL開放測光、初のEE機能(シャッタースピード優先)を採用していたことが挙げられると思います。ちなみにシャッター速度の上限は500分の1秒です。
裏蓋を開けると
さすがにモルトはヘタっているように思いましたが、内部は比較的キレイでした。
フィルム装填方法は、引き出したフィルムのベロを赤い定点に合わせ、裏蓋を閉じれば完了という、QL機構を採用していたようです。
まとめ
こういうユニークなカメラシステムだったにも関わらず、なぜかこの後姿を消してしまいました。
このEX AUTOのみならず、全国のゴミ捨場には、多くのフィルム式カメラが捨てられていることと思います。
筆者はそれを感傷的に捉えたり、これらのクラッシックカメラを蒐めたりする趣味はありませんが、ただ、一つの時代の変遷の記録としての個体と考えています。
今回は、ゴミ捨場で拾ったフィルム式一眼レフカメラを手に取っての感慨でした。
最後までお読み頂き有難うございました。