こんにちは杉本屋です。
今回は、文具ネタですが、筆者としては、はじめてのシャープペンシルについての記事になります。
このPILOTのS20(エス・ツゥエンティー)という木軸シャープペンシルは、製図用ということですが、だいたい市場価格2000円程度で販売されていると思います。が、これを高級と思うかどうかは個人の主観によりますが、少なくとも筆者には高級と映りました。
万年筆やボールペンと違って、シャープペンは公文書類の重要な書類には使えない、ということを考えると、どうしても仮のもの、という図式が筆者の場合頭にあるようで、そのせいか2000円という額を高く感じてしまうのでしょう。その意味では偏見かも知れません。
過去記事にも書きましたが、プラチナ万年筆のプレジールという万年筆の価格は大体1000円です。ご参考までに以下もお読み頂ければ幸いです。
購入動機は、まずは木軸であること
では、なぜ購入したかと言うと、筆者が常用している筆記具は、主に万年筆(特にプラチナのプレジデント)なのですが、簡便性からするとボールペンやシャープペンにはどうしても及びません。
特に、書いても消せるシャープペンは、以前から、手軽に筆記(主にメモ)できるので探してはいたのですが、なかなか気に入った良い書き心地のものが見つからず、よくあるデルガードとかクルトガ、スマッシュ、オレンズなどの定番やそれらの上級品をかたっぱしから買って使ってみて、
(こんなものか…)
と正直半ば諦めていたような状態でした。が、
最近、文具ネタで有名なあるYouTuberが、紹介動画内で、S20は木軸でグリップ感も良く実に書きやすい、ということを連呼していたのを見て、書き心地は問題ないとしても、
「木軸」
というところに一番大きく興味を覚えて購入を決めました。
書き心地は実際書いてみないと分かるものでもありませんし、特に田舎に住んでいる筆者は、何でもとりあえず買ってみてからのことになります。
このS20も試し書きは出来ず、店頭で見ただけで買いました。
経年変化が美しい
「やさしい木のぬくもりをシャープペンで」
とメーカーが謳っているように「樹脂含浸カバ材」と呼ばれる、いわゆる樺材(白樺などの類)で作られた木軸は使い込んでいくうちに、皮脂とか手擦れとかによって、何とも言えぬ艶と深みのある色と質感に育っていくのではないかと思われます。
後で詳しく述べますが、このペンのカラーバリエーションは、何かの樹脂系顔料で染み込ませたような色付けをされているだけで、材はどれも樺材を使っていると思います。実物を見ても木目と質感は同じでした。
この経年変化によって美しくなる、というのが筆者にとっては嬉しいポイントで、当たり前ですが、プラ製などではそうはいかず、使えば使うほど汚くなっていきます。
簡素なパッケージ
▼以下のような化粧箱ですが、プラチナの1000円万年筆プレジールよりはましなパッケージです。値段が倍ですから当然ですが。
中には簡単な取説が底に入っていました。
芯は、筆者は「B」が好きなので、はなから入っていた「HB」を抜き取り、芯タンク内の芯も取り出したところ、合計で4本入っていました。芯タンクは余裕のあるつくりになっているようです。でも消しゴムは小さいです。
色違いも購入
▼実は、色違いで2本購入しました。
余談ながら、購入先は地元のある店舗で「マホガニー」を定価くらいで。Amazonで以下のように「ダークブラウン」をポチりました。やはりAmazonの方が安いですね。
カラーバリエーションは
S20はカラバリが割合豊富で、以下念の為列記しますと、
▲以上5色あります。
筆者はこの内、店頭で実機を見れなかったのはディープレッドだけだったのですが、おそらく写真で見るよりはかなり明るい色ではないかと思われます。
そのフォルム
軸はくびれのある流線型の美しいフォルムで、持ってみるとグリップ部分もしっくりきて、しっかりホールドできる形状で、木軸の利点の温か味と柔らかさを兼ね備えています。
またクリップが短めなので、親指と人差指の股の部分に全く当たることなく、手が痛くなることがありません(ただ長いので胸ポケットに挿した時にどうだかは分かりませんが)。
しっかりした口金
口金は堅牢な作りで、ガタツキ等が全く無く、書いていても非常にしっかりと安定しています。
折れやすいガイドパイプ
それに対して、ご覧のようにガイドパイプが長く出っ放しの構造なので、落下させるとすぐ折れるという欠点があるようです。さすがに試してみる度胸はないので、他の人の言うことを聞いて大切に使っていきたいと思います。
ただ長いガイドパイプのおかげで、どこを書いているのか非常に視認しやすい利点はあると思います。
ノックボタンの仰々しさ
これは好みの問題だと思いますが、筆者はこのノックボタンはこれ見よがしな形と大きさで好きではありません。使用している芯を表す窓が付いているせいもあるのでしょうが、もっとさりげない形状と大きさに出来なかったのか、と思います。
ノックボダンだけで言えば、PILOTのもう一つの木軸シャープペン通常筆記用のレグノの方が好感が持てる気がします。
書き心地は
さて、それはともかく肝心の書き心地ですが、これが一言で表すと「頗る良好」と言えると思います。
例えば、芯が回り続けるクルトガアドバンスの上級品であるアップグレードモデルと比較しても、だいぶ書きやすいと感じます。本当に同じ芯(uni製 0.5 Bを使用)が入っているのか? と疑わしくなるほどです。
確かにクルトガアドバンスは、S20の半額程度の値段ですので、比べるのは不公平かも知れませんが、値段以上に、S20がずっと優れているのではないかと思います。
こういうことからも、芯折れを防止したり(デルガード等)回転(クルトガ)したりする機構は、書き心地とは直接の関係は無いということだと思います。
それよりもむしろ、口金やガイドパイプの堅牢さと軸の良さの方が書き心地に重要な影響を与えるような気がします。S20はそういった余計な機構が付いていない分、ガタ付きがなくしっかりとしかも滑らかに書くことが出来ます。
まとめ
冒頭で申し上げたように、高級な部類に属するシャープペンかも知れませんが、買って後悔することはない優れた製品だと思います。まずは秀逸な書き心地と木軸の良さ、長く使っていけばいくほど美しくなっていくであろう、育てる楽しみもあるペンだと思います。
今回はPILOTの木軸シャープペンS20についての記事でした。
最後までお読み頂き有難うございました。