あるブログ記事が伝えていた情報(典拠失念。申し訳ありません)によると、Apple TVの世界市場シェアは2%に過ぎないということです。
普及が進まないApple TV
Apple TVはこれまでに何度かモデルチェンジを実施し、現在は4K動画も再生可能なApple TV 4Kも販売されていますし、さらにtvOSは毎年更新され次々に新しい機能をApple TVに追加しています。にも関わらず他社のストリーミングデバイスに比べて普及が進んでいないことが調査で明らかになっている、という、まことしやかな内容の記事でした。
これは、少なくとも筆者のようなApple TVの1ユーザーとしてはよく分かる気がします。
理由は単純
その価格
これが本当だとすると、この結果を招く理由は、いうまでもなく、価格が高い、からだと思います。
筆者のブログでも何度か触れたと思いますが、AmazonのFire TV Stick 4Kは税込6,980円です。それに比してApple TV 4Kは、最安モデル(32GB)で税込21,780円もします。
約3倍以上という高値です。しかも出来ることは殆ど同じで、差を見つけることに困難を伴います。
先にこれを言ってしまうとここで話が終わってしまいますので、以下少し補足的に理由や感懐を述べたいと思います。
Appleデバイスのミラーリングが出来るが、それは当たり前
Apple TVは、Mac、iPad、iPhoneなどのAppleデバイスの画面のミラーリングが簡単に出来ますが、でも、これはもはや当たり前の機能です。
Fire TV系でもアプリを使えば無料で出来るからです。事実、筆者は、Fire TV Stickを使ってiPad版のKeynoteで家庭のテレビにミラーリングしています。ただしそれはOSレベルでの対応ではないので簡便さはApple TVに僅かに一歩譲りますが、ただそれだけのことで、安定して普通に使えることは事実です。
あってもごく僅かなアドバンテージに過ぎません。
Apple TV+はAmazon Fire TVでも観られる
Appleが去年の11月に鳴り物入りで登場させた「Apple TV+」という動画配信サービスがありますが、これもまたAmazonのFire TVでも、契約さえすれば問題なく観られます。
つまり、Apple TVというハードでなければならない、という必然性はありません。
Apple TV+とは
ついでに、少しこのApple独自のVODサービスについて述べると、そもそもこのサービスは、日本では2019年11月2日から開始(配信)されました。まだ一年も経っていませんが、Appleオリジナルの作品や、既存の映画コンテンツなどを配信するサービスです。
料金は
- 月額600円
- 年額6000円
- 初回入会時は7日間無料
筆者の場合、去年の9月にiPad第7世代を発売とほぼ当時に購入しましたので、その特典としてApple TV+に一年間無料で入ることが出来ました(今もまだ入会中です)。
最初は素直に喜んでいたのですが、例えば筆者の好きな俳優「ジェイソン・モア」が出演している「SEE・暗闇の世界」などという、視覚を失った人類に突然視覚を持った双子が生まれる話しなどが面白そうで、当初はわくわくしながら視聴していました。
が、この「SEE」も観れば観るほど、だんだんくたびれてくるというか竜頭蛇尾の感が強く、展開も非常にノロくて、話が進むほどにだんだん居眠りするようになっていきました。
結局5〜6話ほど観て、その後は観る気も起きなくなりやめてしまいました。
あとは、無料と言うか定額で視聴できる動画を適当に列記しますと、
- ザ・モーニングショー
- トム・ハンクス グレイハウンド
- リトル・ヴォイス
- ジェイコブを守るため
- SEE 暗闇の世界
- セントラル・パーク
- ビースティー・ボーイズ・ストーリー
- Dads 父になること
- Oprah's Book Club
- ディキンスン
- ヘルプスターズがお助け
- スヌーピー 宇宙への旅
- 神話クエスト
以上これくらいでやめておきますが、これらは全部AppleTV+オリジナル作品です。
もちろん筆者は、これらを全部観たわけではなく、数本を視聴してみただけですが、やはり他の動画配信サービスのオリジナル作品に比べて見劣りする気がします。それ以上はわざわざ観る気がおきなくなりやめてしまいました。
有名どころ売れどころは全部別料金
その上、他の売れた映画、評判の高かった映画などを観ようとすると、全部別料金で課金されるシステムになっています。Amazonのプライムビデオとこの辺りは全く違います。
例えば以下のように「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」だと
1,222円で買取、509円でレンタルという具合です。
この程度の内容で、年額6,000円も払うでしょうか? プライムビデオを定額で観るためには年間4,900円必要ですが、だいたいの作品は定額内で観られますし、当然、Amazonで様々な買物をしても送料無料、さらに以下のような特典があります。
- Prime Musicで音楽が聴き放題
- Prime Readingで無料で本を読める
- Primeラジオが聴ける
- Kindleが4000円引きで買える
- Kindle本が月1冊無料
これらを見ると、Appleのサービスとは圧倒的な有利差を感じます。
こういったこともApple TVというハードの普及を妨げている要因になっていると思います。
ブラウザがない
あとオマケ的な話ですが、Apple TVには何故かSafariなどのブラウザがありません。もちろんAppleデバイスのiPhoneやiPad、Macから簡単にミラーリング出来るので、必要ない、ということなのだと思いますが、ミラーリングには必ず特有の遅延があり、重い4K動画などをミラーリングで再生した際などには、しばしば止まったり待たされたりすることがあります。
Amazon Fire TV は、SilkとFirefoxをインストール可能で、そのどちらも直接リモコンから操作出来ますので、少なくともこういったことは起きません。
まとめ
以上のことから、Apple TVのシェアは2%にとどまっているのは当然の結果だと思います。
Apple得意の連携および共有機能もこれらのジャンルの製品とサービスには全く通用していないと言えるでしょう。
Appleもこの辺りで、暴利を貪ろうとせず、もっとユーザー第一の製品づくりとサービスを心がけてもらいたいものだと強く思います。
この記事が皆さんのお役にお立てれば幸いです。