ようやく届いたiPad Air 4
遅きに失した感はあるかと思いますが、筆者は11月2日にiPad Air 4を入手しました。Apple Online Storeでポチったのは10月18日のことです。余談ながら今回は上海から届いたようです。
さて、この新しいiPad Airが気になる方は、既にYouTubeやブログ等で情報を集めていると思いますので、今回は少しは違うアングルからレビューしていければと思っています。
64GB 最安モデルを選んだ訳
まず筆者が入手したiPad Airはストレージ64GB、Wi-Fiモデルです。
巷ではiPadのストレージ容量は64GBでは足りない、などと嘯いている人を散見しますが、それは本当でしょうか?
筆者がiPadでやる主な作業としては、手書きメモ、ブログの執筆、Keynoteによるプレゼン資料の作成や実施、Macのサブディスプレイ化(Side Car)、動画の視聴など、ライトな用途が多く、しかもデーターはクラウドに上げているので64GBのストレージで十分です。
外でもよく使いますが、使う場所はフリーWi-Fiがあるところと相場が決まっているので、別にセルラーモデルでなくても構いません。
仮に、その上の256GBモデルを狙ったとすると、iPad Pro 128GB版とそれほど価格差(実質16000円程)が無くなるので、もしストレージ容量がさらに欲しいなら、筆者は結局Proを選んだと思います。Airを買った理由の一つに、単純にProより廉価だから、という点があります。
▼下が筆者のiPad Airのストレージの使用詳細です。18GBほどしか使っていません。ちなみにMicroSoftのOfficeもしっかりインストールした状態です。
画面のリフレッシュレートについて
それより筆者が一番気になっていたのは、Airのリフレッシュレートが60Hzという点です。
ちなみにProのリフレッシュレートはAirの倍の120Hzあります。これは10.5インチのiPad Proの時代からそうでした。
ここはApple Pencilの書き心地に大きく関わってくるところなので、気にならない方がどうかしています。
が、ここ数日試してみて思ったのは、本格的にイラストやグラフィックを扱うようなプロユースは別として、普通に手書きメモを取ったり、PDF文書やJPEG画像などに注釈を入れたり、電子書類にサインしたりするような用途には全く問題がないということです。
確かに、素早くPencilを動かすと、線が後から追随してくるような遅延ぶりは目視できるのですが、かと言って、それが日常的な筆記にどれほど影響があるのかというと疑問です。これがPro(友人の個体で試用)だと、それがより少なく滑らかな動きをするというだけのことです。
この点を気にするかどうかは用途と人にもよりますが、少なくとも筆者は気になりませんでした。
Tuch IDについて
指紋の認証、認識が、少なくともiPhone 7やiPad 第7世代よりはよほど速く、ロック画面の解除もレスポンスが良く、実にすばやく反応します。また誤作動誤認識も殆どありません。
Face IDに慣れ親しんでいる人やマスクをしない人には面倒がられるかもしれませんが、筆者はこれで十分ではないかと思います。
ただ本体の向き(縦横)をくるくる頻繁に変える人などは、ホームボタンがないだけにセンサーが何処にあるのか分からなくなる場合もあるのかとも思います。いずれにせよ使い勝手としては、Face IDとは大同小異、甲乙つけ難いように思います。欲を言えば両方あった方が良い気がします。
バッテリーの持ち
これは細かく検証してみたわけではありませんが、余り良くない気がします。
高速なA14 Bionic チップが搭載されているせいもあるのか、意外と早く消耗していくように思えます。今はMagic Keyboardに装着したままで使っているので、そのせいもあるのかも知れません。
ただ、あまり良くない、とは言っても、同じ作業(ブログ執筆等)をやっても、MacBook 12インチよりはバッテリーの持ちは良いです。あくまでもiPadというタブレット端末としての話です。
例えばMacBookの場合だと、実際にはせいぜい5時間〜6時間も駆動すれば良い方だと思いますが、iPad Airは、8時間は越えるだろうか? と言った感じです。その用途にもよりますが、一日持ち出して使おうと思うと、まずは充電器なしでもなんとかなるレベルだとは思います。
ちなみに今日の場合だと満充電状態から、ブログ執筆とブラウジングの用途で、2時間半ほどで「67%」まで減っています。
Magic Keyboardを付けると
これが一番言いたいところなのですが、Magic Keyboardというひどく高額なキーボードをつけると、使い勝手が劇的に変化します。
これは昨秋発表されたiPadOSというOSの力にも当然よりますが、このトラックパッド付きのキーボードがあるのと無いのとでは操作に雲泥の差が生まれてきます。
Smart Keyboard Folioでは(自明のことながら)トラックパッドが付いていないので論外です。持ち歩きの際、軽さを求める人は仕方ないと思いますが、そうでない人はこのMagic Keyboardを買った方が良いと思います。
トラックパッドの滑らかな動き
少し小さめですが、頗る良好です。Macと何ら変わりのない操作感です。豊富なジェスチャーに対応しており、Slide OverやSplit Viewなどと言ったマルチタスキング機能もトラックパッドだけで縦横無尽にストレスなく使うことが出来ます。
よくあるWindowsパソコンやChromebookにあるような、ぎごちない動きといったものは全くありません。
この操作に慣れてしまうと、Apple Pencilを使う時以外は、Magic Keyboard無しの環境には戻れなくなるほど快適です。特に入力作業がメインの際には、画面とキーとの往来がなくなるのは非常に楽です。これはやってみるとよく分かりますが、画面とキーボードとの往来の頻度が高くなると確実に疲れます。
筆者は以前、10.5インチのiPad ProにSmart Keyboardを付けて使っていた時代もありましたが(その頃のOSが拙劣だったせいもありますが)、大きくは上記のことがあったが故に、MacなどのPCには勝てない、という結論に達して売却したという経緯があります。
筆者はこのトラックパッドの操作が出来るようになったからこそ、MacBookからの乗換えを考えて、今回購入に至った訳ですが、今のところ満足しています。
やはり重い
ただ気になるのはその重量です。重い重い、とは従前から聞いていたので、想像を超えるような重さではありませんが、それでも結構重く感じます。実際に計ってみると600gはありました。iPad Air 4と併せると計算上では1kgを超えてしまいます。
この重さは上の写真にあるMac Book 12インチより100g以上重い、ということになります。
良好な打鍵感
シザー式の効能が現れているのか、MacBook 12インチモデルのバタフライ式キーボードよりよほど良いと思います。ストロークもこの類のキーボードとしては1mmくらいと十分ありますし、適度なクリック感があるので誤打も減ります、そして打鍵音も静かです。
この心地良い打鍵感というのは、本来実用とは無関係なはずですが、この点は人間と機械が触れ合う接点なので、一番大事だと言っても過言ではないと思います。仮に不快に感じるキーボードを触っていると著しくモチベーションが下がることがあります。
また当たり前のことですが、Bluetooth接続式のキーボードなどに比して、遅延も全く見られず充電が不必要という点もメリットとして挙げられると思います。
その点では、Smart Keyboard系も同じですが、打鍵感はMagic Keyboardの方がより上だと思います。
キーピッチについては実測したところ17〜18mm位はあり、別段小さくはないのですが、ただ周辺のキーがひどく小さく押しづらいキーも散見します。筆者が特に気になったキーは「ー」の長音記号のキーです。
あと、いつものように「esc」キーはありません。これはなぜ付けておかないのか理解に苦しむ点です。
USB Type-C端子
ヒンジの左端にType-C端子があります。データー転送には使えませんが、これがあるのは利点だと思います。充電が必要な際にいちいちケーブルを抜かなくても、何かを繋ぐことが出来ます。
結論
コスパが良いとは言い難いセット(特にMgic Keyboard)ですが、筆者はまあ、買って割りに合うものだと考えます。
大きく言えば、
- Pencilが使える
- 基本的にスリープ状態で使うスタイルの簡便性と高速性
- アプリ類の豊富さ優秀さ廉価性
という点もMacに比べて優位性が認められるところですし、A14 Bionicチップ搭載による軽快性と高速性、その上、昨秋のiPadOSの進化により、マルチタスキング、外部ストレージへの対応も手伝って、今なら十分Macの代替機にはなる、と判断できるからです。
以上、簡単ながらこのセットを数日間使った上でのレビューでした。この記事が皆さんのお役に立てれば幸いに思います。

Apple Magic Keyboard (11インチiPad Pro - 第1世代と第2世代・iPad Air - 第4世代) - 日本語(JIS)
- 発売日: 2020/04/20
- メディア: Personal Computers